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福島大会は2日目の14日、県内5球場で1回戦14試合があった。梅雨空の下で熱戦が続き、1点差で勝負がついた接戦が6試合あり、そのうち2試合はサヨナラゲームだった。葵と新地がうれしい夏初勝利を挙げた。15日は、5球場で15試合がある。
2点を追う郡山は9回、先頭の大河原の中前打を皮切りに長短打を絡めて同点とし、なおも1死満塁で添田がサヨナラ打を放った。福島西は6回に逆転したが、土壇場で力尽きた。
▽がむしゃらに勝ち越し安打 郡山・添田主将
シーソーゲームを郡山がサヨナラで制した。立役者は主将で4番の添田恭平。9回1死満塁、邪飛で粘った末、右前適時打で勝負を決めた。「がむしゃらだったので何球目を打ったのかも、わからない」
控え選手としてベンチ入りした2年前の大会では、1回戦で逆転サヨナラ勝ちを経験した。グラウンドの先輩を見ながら「苦しくても、粘れば最後には勝てる」ことをかみしめたという。
今月に入って、あえて監督に頼らず、3年生中心に、自分たちで練習メニューを考えた。得点圏に走者を置き、自分たちを追い込んだ形の練習が試合に生きた。
浜津信哉監督は「我慢して我慢して、最後まで粘って勝つ、うちらしい野球」。添田は「次は最初から自分たちのペースで闘いたいですね」。
▽学校100周年、15K初勝利 新地・大久保投手
9回表、南会津を2死に追いつめ、マウンドに立つ新地の大久保浩之は笑みを浮かべた。念願だった「夏の初勝利」まであと1人となり、「うれしくて笑いが止まらなかった」。
最後の打者を空振り三振に仕留めると、ベンチから仲間が駆け寄ってきた。計15奪三振の好投に「出来すぎです」と言いながら、興奮気味に汗をぬぐった。
新地に硬式野球部が出来たのは昨年。1年生だった大久保も「自分たちでチームをつくろう」と入部した。走るのが苦手で、練習は楽ではなかったが、勝利への強い思いで乗り越えてきた。
この日、立ち上がりは緊張して、少しぎこちなさもあったが、外角のスライダーが決まり始めると波に乗った。6回、南会津の4番石山拓実に右中間適時二塁打を許して同点とされたが、前向きな姿勢は崩れなかった。
今年、新地は学校創立100周年。その記念事業の一環として、全校生徒がバスで約3時間かけて応援に駆けつけた。生徒会中心に即席の応援団もつくられ、勝って校歌が流れると、「よくやったー」の声が飛んだ。
大久保は「最高に気分がよかった。2勝目も挙げたい」。感激にひたりながらも、すでに2回戦の郡山商戦に目を向けていた。
心配された雨も上がり、山形でも球児の夏が始まった。14日は中山町の県野球場など5球場で1回戦15試合があった。手に汗握る接戦や大逆転があり、6本の本塁打も飛び出した。昨年優勝の酒田南は辛うじて、酒田西を振り切った。15日は5球場で14試合があり、2回戦が始まる。
酒田南が終盤に力を発揮して両チーム無失策の好試合を制した。9回、田中大がスクイズを決めて勝ち越し、さらに丹羽の二塁打で加点した。酒田西は出場全選手が三振を喫するなど、投手を援護できなかった。
▽強豪相手に5回1失点・酒田南 梅津陣投手
「酒田南との一戦のために、3年間やってきた。悔いはない」。酒田西の先発・梅津陣(3年)は試合後、淡々と話した。大会2連覇の強豪を相手に75球、5回を1点に抑えた。「100点の出来」と高橋務監督も好投をたたえた。
「この日」のために5月から新しく覚えたチェンジアップが1回から低めに決まった。先頭打者の丹羽卓也(同)、昨夏甲子園で本塁打を放った3番佐藤良輔(同)を空振り三振に打ち取った。「これならいける」。右手でグラブを2度パンパンとたたき、選手たちが出迎える輪の中へ笑顔で向かった。
中学校時代、酒田南に入学しようと悩んだ時期もあった。「甲子園に行くならやっぱり南か」。しかし、「公立校に入って倒したくなった」と酒田西へ。最後の夏の初戦で「1番強い相手」との対戦が決まり燃えた。
6回から小松朋広(同)にマウンドを譲った。「打倒酒南」を目指したライバルだ。試合後、小松はタオルで顔を覆っていたが、強打線を2点に抑えた。2人ともナイスピッチングができたと思う。
3年間、酒田南との公式戦で5試合に登板したが、結局一度も勝てなかった。「今日の試合は一生忘れない。高校野球はいい思い出ばかりでした」。梅津はそう振り返った。